あえて、営業代行に相談してみた
小社はひとり出版社なので、大きな会社のように、編集と営業、両方に力をかけることはできない。
出版社としては、とにかく本をつくらないことには話にならないので、必然的に編集ばかりをやって、営業にはあまり力が注がれない形になってしまいます。
先日、4月下旬に新刊を出しました。この本は姉妹本であり、お姉さんにあたる先に出した本がかなり売れた本だったので、「その姉妹本ですよ〜」という触れ込みで出せば自動的に売れるんじゃ、と思っていた時の自分をぶっとばしてやりたい。
発売から1ヶ月以上経過して、結果は惨憺たるもの。。。半分とかの売れ行き状況でなく、10分の1とかくらい。
続けて5月中旬にも、4月と同じジャンルの本を出しました。予定では4月の本がヒットして続けて同じジャンルであれば良い影響が出て売れんじゃと思っていたが、もっと悲惨な状況、、まったく注文こない!
ここで予測売り上げと会社の入金出金予定を考えると、絶望的なことがわかりました。。。モウモタナイ。
本はいい(はず)、少なくともこれほど悪いのはやっぱりちゃんと営業していなかったからと思い改め(実際ほぼ何もしていないに等しい)、営業したいけどひとりなのであまりできないので、営業代行に相談してみました。
「出版 営業代行」と検索すると結構ヒットして、意外とたくさんあるのに驚き。
印象の良い会社を3つ取り上げ、連絡してみると、
1.全国の書店数千店に定期訪問。金額は(うちの会社のケースで言えば、つまり隔月で発刊)月々8万円くらい。
2.全国の書店数千店に定期訪問。金額は、1と比べて全然高い。
3.全国の書店数千店に定期訪問。金額は、2と同じくらい。
つまりどれもお願いすらできない(涙
どうやら営業代行に申し込む出版社というのは、毎月発刊量が多く、特に資格の本など入れ替えの激しいものに対して、棚の鮮度を保つことがメインの仕事らしい。
確かにうちの出版傾向には合わない感じです(笑
ただ、3の会社は大手取次の子会社で営業代行をしている会社。他の取次の帳合書店も扱っていて、しかもファックス代行をしてくれるとのこと。
ファックス代行の会社は有名な会社があるが、ちゃんと全国にファックスすると20万円以上もかかるので、無理かと思っていました。
その点、この3の会社は1件50円という良心的な設定で、書店リストをエクセルで送ってもらい、自分で好きなように選択してお願いすれば、ファックスしてくれるとのこと。
さっそくお願いして実行してみたら、かなり反響よく、良い数字の指定配本数が集まりました。すごい!
トーハン系列のこの営業代行会社、今後もお願いすることになりそうです。
あえて、文京区融資あっせん事業に融資を申し込んだ!
最初に融資がおりたのは日本政策金融公庫ですが、相談を最初にしたのは「文京区融資あっせん事業」というところでした。
区役所に隣接している東京商工会議所に中小企業診断士の方が日替わりで来ていて、融資を受けるための指導をしてくれます。
具体的には、融資を受けるための事業計画書の作成の指導でした。
事業計画書がきちんと完成すると、はじめて融資を申し込むことができます。
週1回で通い、合計3〜4回の指導を受けて事業計画書を完成させます。
前のブログ「あえて、日本政策金融公庫に申し込んだ!」にも書きましたが、融資を受けるためのポイント、つまり融資を受けるための面談には事業計画書はあまり重要ではありませんでしたね。
そこではなんといって実績、別に大げさなものでなく、どういう仕事をどれくらいの期間継続してしてきたのか、ということがポイントでした。
自分の場合は、「急いで融資を受けたいです」という意思を伝えたら、2回で事業計画書を完成させてくれて(最後は中小企診断士の言われるがままに書いた)、確か東京商工会議所の所長の捺印を計画書にもらって、提出になりました。
提出先は東京都保証信用協会というところになります。
ここで書類審査を受けて、通ったら面談し、これも合格できれば晴れて融資実行という流れになります。
ただ、この東京都保証信用協会からお金を融資してもらうわけではありません。ここは文字通り、保証をしてくれるところです。
何の保証かといえば、例えば自分が金融機関から融資を受けた際に、事業がうまくいかなくてその返済ができなくなってしまったとき、金融機関が貸したお金の取りっぱぐれがないように、この東京保証信用協会がお金を金融機関に立て替えて返済してくれるのです。
金融機関、自分の場合は朝日信用金庫ですが、朝日信金が取りっぱぐれしないように、保証協会が立て替えてくれるというわけです。
つまり、融資希望者の「信用」を「保証」する、というわけですね。
これがあるから、安心して朝日信金さんも自分にお金を貸してくれたわけです。
しかも、日本政策金融公庫と同じく、無担保・無保証人です。
さらに、文京区融資あっせん事業を利用して融資を申請すれば、利息は文京区が払ってくれるので、自分が利息を払うことはありません。
スバラシイ! \( ˆoˆ )/
だから特に誰かに相談するでもなく融資申請してしまいました。
そうでなければ、大した資産もない自分に800万円も融資してくれなかったでしょう。
800万円と言いましたが、文京区の創業融資額のマックスは800万円です。
これは法人の場合で、個人事業主は、自己資金の半分までとなっています。
「あえて、文京区本郷に会社をつくった!」にも書きましたは、ここでもいかに法人でないと事業がしにくいかがわかります。
しかし、自己資金の半分て、、、自己資金が足りないから借りたいのに、その半額じゃ少なすぎでしょう。。。
書類審査は、中暑企業診断士の指導も受けたので、問題なくパスでき、面談を受けることになりました。
地区によって面談場所はわかれていますが、文京区の自分の場合は八重洲にある本部(?)でした。
パーテーションで区切られたスペースに案内され、担当者と1対1で面談します。
大きな金額がかかていて、人生の転機、みたいなターニングポイントだったので、まあまあ緊張してのぞみましたが、担当の人が気さくで話しやすく、こちらの緊張をほぐそうと結構気を使ってくれた感じでした。
年齢は40頃で、自分とほぼ一緒。
面談をしている間、「何とか希望金額を融資してあげよう」みたいな姿勢を感じることができ、つじつまの合わないところをツッコミいれようとかではなかったですね。
日本政策金融公庫の面談の場合のように、ここでもこれまでの実績とこれからの事業予定の繋がりが最大のポイントになっていました。
また自分の場合は、出版を続けるのにあたり、なぜ前の会社ではダメで新しく会社を作らねばならないのか、も聞かれました。
時間にして45分くらいで終わり、この時も終わりころに、「融資、大丈夫すかね?」的な質問をすると、これまでの実績がしっかりしていますし、10年以上の経験があって、多分大丈夫じゃないですかね。といった返事でしたね。
日本政策金融公庫もこの時も、共通しているのは、「融資を受けさせてあげたい」という、意外とも思える姿勢でした。
面談後10日ほどで融資OKの電話をもらえました。
あえて、株式会社を設立した!
会社を辞め、自分ひとりで仕事して収入を得ていこうと思っていた時は、個人事業主としてやるつもりでしたが、今後の仕事の予定を具体化していくうちに、株式会社の方がいいなと思うようになってきました。
どちらにするか迷いましたが、個人事業主と株式会社、どう違うか、何が違うのかを考えてみると、およそ次のようになります。
・外部からの評価
当然株式会社だと、他の人に「会社をつくった」と話した時の印象がだいぶ違います。
なかなか株式会社を作ったという人は少ないでしょうから、良い意味で結構インパクトがありました。
・融資の受けやすさ
日本政策金融公庫は個人でも融資受けられましたが、やはり個人では大きな額は受けられません。ちなみに自分は300万でした。
より多くの融資が必要でしたので、文京区が行なっている融資あっせん事業に申し込み、金融機関、私の場合は朝日信用金庫、そこから800万の融資を受けることができました。
これが個人であれば、自己資金の半分が融資額の上限ですので、普通には100〜200万程度になってしまうでしょう。
事業をしていくうえで金融機関との関係は必須でしょうから、こういうところでも株式会社が、いかに対外的に信頼を得られるかを実感できましたね。
ただ、設立にはいくらかの資金は実用になります。
・登記費用:およそ21万円
自分で登記手続したので、上記の最低限の費用しかかかりませんでしたね。
行政書士に依頼すると、3万円くらいかかるようです。
ただ、手続自体はすごく簡単。
まったくの初心者である自分が、ほぼスムーズに手続できました。
提出書類はネットでダウンロード入手できますし、あとは役場にいくつか行って、提出すればいいだけです。
それぞれの役場では、確かにミスなどがありましたけど、その場で訂正して実印捺印すれば、そのまま受け付けてくれましたので、何度も行く必要はありません。
基本的に、自分でやってしまったほうがいいでしょう。
訪問した役場
・公証役場:作った定款を提出して認定してもらう。
定款の作成は「会社設立freee」というサイトに手順が説明されていたので、言われるがままに作成しました。要は定款のフォーマットがあるので、必要に応じて自分の社名や氏名に書き換えるだけです。
このサイトは無料で利用できて、まったく言われるがままに進めていけば設立完了できましたので、これからの人にはおすすめですね。
ただ、定款は行政書士に確認してもたう必要があるようでして、5000円払って確認してもらいました。
確認してもらうと、公証役場での認定が問題なく受けられるようです。
この時にからのCD-ROMを持って行って、そこに定款のデータを入れてもらうのですが、自分は忘れて行ってしまいましたが、担当の方が親切にCDを用意してくださって、助かりました。
・東京法務局:登記申請書と印鑑カード交付申請書
ふたつとも上記のサイトから入手できます。これも自分の社名を入力するだけで、完成できました。非常に便利でしたね。
ちなみに、このときまでには会社のハンコを作っておきます。
ハンコ屋さんドットコムなどネットで注文すれば、翌日などに送ってくれます。
業者に社名を伝えるだけで、いい感じに作ってくれ、3000円程度で作れます。
・文京年金事務所
社会保険を納める手続
・本郷税務署
国への税金(?)を納める手続
・千代田都税務署
都民税(?)を納める手続
いずれもサイトで入手した書類に記載して提出するだけ。
これで、ひととおり設立手続は完了!
あえて、日本政策金融公庫に融資を申し込んだ!
自分の場合、新しい会社(その時はまだ法人とは決めていなかったけど)または事業として出版を考えていたので、その造本費用(印刷製本代や印税)を確保するのがもっとも大きな問題でした。
1タイトル作るのに、少なくとも100万円みておく必要がありますが、それほどの金額を自分で用意するのはもちろん無理。借りるしかない。
というわけで探してみると、いくつかの手段があるようでした。
・銀行から借りる
・区の融資あっせん
・日本政策金融公庫からの融資
銀行からはちょっと難しそうでしたので、下2点、つまり公的な制度を利用して融資を受けようと思いました。
それにしても、創業しようという人に対して、けっこう手厚い公的サービスがいくつもあるのは嬉しい驚きでした。
ただ、文京区の融資あっせん事業は、会社を辞めることが前提(しかも会社に辞めることを証明する書類に捺印してもらい提出する)になっていましたので、そこからの融資はいったん保留にしました。
最も多くの人が創業するときに融資を申し込む、日本政策金融公庫に相談することにしました。
相談してみると、日本政策金融公庫は会社を辞める必要なく融資を受けられそうでした。なんでも、会社を辞めるとか新しく会社を作るとかは関係なくて、「新たな事業」を始めたい人にはお金を貸しますよ、というコンセプトとのこと。
つまり会社に勤めながら融資を受けられるので、まだどのタイミングで辞めるか、本当に辞めるのか悩んでいた自分にとっては素晴らしいコンセプト!
流れとしては、以下の感じ。
1 事業計画書、売上予定表、自己資金を証明するもの(つまり通帳)を準備
2 面談
このような感じですが、事業計画書類は金融公庫のHPからダウンロードできるので、そこで入手し、しかもHPには見本もあったので、参考にしながら作成しました。
でも見本はかなり薄っぺらい内容でしたので、自分はもっと現実的で、説得力のある書類作成をしました。
ダウンロードした書類だけでは情報不足なので、自分で事業計画を具体的に証明するように別途書類作成しました。
自分の事業ですので、計画書を作るのは簡単。いかにまとめるかだけが問題でしたが、どうということはなかったです。
手こずったのは、売上計画。
・何年何月にいくら売上て、どのようなサイトで入金があるのか。
・返済を滞りなくできる売上予定になっているか。
辻褄の合うように、上記の数字を2年間くらいのスパンで作成するのは結構骨が折れました。
ただ、自分のさじ加減で数字上のシナリオを作れるので、それなりの時間で作りました。
書類の提出は受付窓口の女の子に渡すだけ。
特に質問もされることなく、まずは書類審査をして、問題なければ数日のうちに面談予定日を連絡します、とのことでした。
面談については、先方が一番気にしていたのは、
・今まで何をしてきたのか(実績)
これ以外にポイントが思い出してもみあたりません。
これが最たるポイント、もっと言えばここしか気にしていなかったのでは。。。
事業計画や売上計画、自己資金の金額の大小は、あまり評価ポイントになっていなっかたですね。
この融資を申し込むまで、多くの人がそうすると思いますが、事前にネットでの情報入手にかなり時間をかけましたが、はっきり言えば、ほぼ無意味でした。
ほとんどのサイトでは、自己資金が重要、返済計画がきちんとしているか、といったことがポイントになると書かれていましたが、それはほぼウソ情報ですね(^ω^)
自分も特に自己資金は気にしていましたが、あまり関係なかったです。
結局、先方はそれぞれの業界(自分は出版業界)には詳しくありません。ですので、業界に詳しい自分が売上・返済予定を示しても、自分のさじ加減で、いかようにもシナリオを作れてしまいます。
それは先方もわかっていて、先方が見ていたのは、
・その業界に何年いて、
・どのような仕事をしてきたのか、
ということです。
もちろん、融資を受けて始める事業が、これまでの仕事の延長線にある場合ですが。
帰り際に、「何か質問はありますか?」と聞かれたので、「融資、大丈夫そうですかね?」と、ちょっと照れ隠し気味に聞いてみたら、「まあ、自分の感覚では大丈夫と思いますよ。今まで出版を長くやってきていますし、趣味とかでなく、仕事としてしっかり実績がありますので」と言っていました。
とにかく今はお金を借りても金利が低く、借りやすいです。
それに安倍政権になってから(?)、特に創業に対して国自体も積極的、協力的になっているようですので、悩んだり、ネットで調べるよりも、自分で融資申し込みをとっととしてしまった方が断然いいと思います。
あえて、文京区本郷で会社を作った!
(設立してすぐの事務所。木製のデスクは自作です。)
会社勤めをして、ある程度の期間を経ると、経験を積み、人脈もできて、自分で会社を運営したらどうなるのだろう? といった想像をする人は多いのではと思います。
実際、自分も20年近く会社勤めをしてきて、40歳を過ぎまして、こう思い始めました。
「自分で会社を作って、自分の納得する仕事に専念していきたい!」
そうはいっても、不安はいくつもありました。
・家庭がある(奥さんと4歳の娘)ので生活費は確保できるか?
・会社はどうやったら作れるのか
・作るとしたら、個人事業主(会社ではないけど)、合同会社、株式会社、どれがいいのか?
・会社を作るための資金はどうすればいいんだ?
このような疑問・不安が主なものでしたね。
これが払拭できないので、「このままじゃだめだ」と2年くらいは毎日思いながら仕事していました。。。
でも同時に、独立もしくは社内起業するための準備も遅々としながらも進めていましたのも事実です。
自分の場合、出版社に勤めていて、新しい会社も出版社ですので、とにかく企画を自分で考え、著者を探して出向いて執筆依頼をしていました。
もちろん、会社には何も報告はしませんでした。「自分の仕事」として行なっていく企画ですので、会社に言う義理はないなと。
いくつか企画が固まってくると、「よし、独立だ」という気持ちに自然となっていきました。
ただ、上記のような不安がありましたので、なかなか踏ん切りがつかないままでしたが、日本政策金融公庫からの融資が確実になった時点で会社を辞めました。
このブログでは、自分のように悶々としたまま会社で働いている人たちが、独立するための参考になればと書いていきます。